笠取山で新作試食!
こ、これ美味すぎるかも……
実は、マウンテングルメラボのメンバーは、毎月定例登山というものをおこなっています。もちろん山が好きだから、というのが大きな理由のひとつですが、山のものを扱うわけですから、山の中でいろんなアイデアなどが生まれることも多いんです。今回は埼玉県と山梨県の県境に位置する、3月中旬の笠取山へ。実は【新作の試食】というイベントも兼ねています。
(記事の最後には、今回ご紹介している新作プロトタイプ版販売のご案内もしています!)
今回のメンバーはプロデューサー・三好、シェフ・田嶋、ライター・櫻井の3人にくわえ、三好の知人であるテツローくんもゲスト参加。なんでも初登山ということで、まだ雪のある笠取山は少々キツイかも? と思ったりもしましたが「気合い入ってるんで!」という言葉どおり、テツローくんはぐいぐいと良いペースで樹林帯を登っていきます。
登山道のすぐ脇には美しい沢が流れています。実は笠取山は多摩川の水源にもなっている山。ここの水でMGLを作ってみよう、というのが今回のテーマのひとつでもあり、途中の沢で浄水器に水を汲んでおきます。
約2時間ほどで、笠取小屋に到着。ここは期間営業の小屋で、シーズン中は小屋泊にくわえてテント泊もできますが、あいにくとまだ営業前。ベンチを拝借してひと休みしてからいよいよピークへと向かいます。
ここからが笠取山の核心部。とくに頂上直下はひるむくらいの急登ですが、危険箇所などはないため、じっくりと高度を上げていけば問題なし。初登山のテツローくんも、しっかりと付いてきています。というかむしろ一番元気なくらい。
「いやー、山、いいっすねえ」と繰り返しています。
頂上に着いたら、待ちに待った新作試食。
今回持ってきたのは4月に先行予約がスタートする予定の「山椒七味香る豚汁雑炊」「トマトと炸醤(ザージャン)の合体麻婆飯[厚揚げ入り]」「香ばし海老のレモン麻婆飯[厚揚げ入り]」の3種類。
三好が「山椒七味香る豚汁雑炊」の準備をするかたわら、田嶋がそのへんの雪を集めて沸かしたお湯で、「七本鎗」という近江の地酒を熱燗にして一献。
つまみはライター・櫻井が屋久島で買ってきた鯖の燻製です。
遠くにはうっすらと富士山の姿も見えます。
雪と杉の稜線が見事なコントラストを描き、まるで縞模様のよう。こんな良いロケーションでご飯を食べられる贅沢をあらためて感じる、良いピークです。
そうこうしているうちに、味噌の良い香りが漂ってきます。
これはもう期待しかない。
気温がかなり低いので、今回は沸騰させたあとに保温ジャーに移してそちらで蒸らすスタイル。冬山でもあつあつで食べることができるのでオススメの方法です。そうして出来上がった豚汁飯に山椒七味をくわえていざ実食。
「なんじゃ、こりゃ〜!」
というテツローくんの第一声がこのレシピのインパクトの大きさを物語ります。
慣れ親しんだ味噌と出汁の味わいなはずなのに、びっくりするほど新しい。アッツアツの煮崩れた豚汁をご飯に掛けて食べる懐かしい和のイメージと、まるで味噌仕立ての高級リゾットのような複雑な味わいが両立しているんです。
これを狙って出せる田嶋シェフの底力をあらためて感じさせる新メニューです。
ところがここで爆風到来。とてもじゃないけど山頂でまったりしている雰囲気じゃありません。急いで準備して一段下がったところまで避難。適度に雪が締まっているので、みんなで踏み固めて簡易的なテーブルを作って、試食再開。
次は「トマトと炸醤(ザージャン)の合体麻婆飯」です。
合体というなかなか料理名ではお目にかからないワードですが、もちろんちゃんと理由があります。肉味噌をベースにした麻婆ソースとトマトソースを別々に作り、それを一緒にパッキングするという手間のかかった手法をとっています。
実際に食べてみると、唐辛子、花椒、紹興酒や黒酢といった本格的な麻婆ソースとフレッシュでジューシーな酸味と甘味を持つトマトソースが、喧嘩することなくそれぞれを引き立てあっています。中華とイタリアンが融合したような、田嶋が言うところの調合の妙。たっぷり入った厚揚げも食べごたえ十分。
「こんなの初めて……」とテツローくんは言葉を失っています。
最後は「香ばし海老のレモン麻婆飯」。
口に入れた瞬間にレモンの酸味と、ザクザクという食感も楽しいパクチーの根っこの苦味、そして芳醇な海老の香りが弾けます。それぞれの味が時間差でやってきて、最後にひとつにまとまる感覚は、食べ飽きることがありません。テツローくんの言葉を借りれば「まるで口の中に海があるよう」な爽快な味わいは、夏山シーズンにもピッタリ。
いや〜、今回あらたに加わる新作も、既存のものに負けないくらいの美味しさと新しさです。あらたにラインナップが増えたことで、行く山、季節、気分などで自分好みのメニューを選んで持って行く楽しさも、大きく広がりました。
「厳しかったからこそ、この味に出会える驚きと感動。最初の登山なのにこんな贅沢で大丈夫でしょうか!?」と、テツローくんもすっかり山飯の魅力の虜になったようです。
※オマケの注意事項※
3月中旬でも笠取山の登山口までの道には結構な雪が残っていました。道も細く、アップダウンのあるカーブが続くのでスタッドレスは必須。四駆推奨です。
Text/Takashi Sakurai
Photo/Hinano Kimoto
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全国での本発売に先立って、
記事内でも食べている新作試作版をMGLサイトにて販売いたします。
本発売の商品は試食いただいた皆様の反応などを見ながら微調整が加わると思います。
シェフ田嶋のアイデアむき出しの状態(今回はシェフが実際にラボで調理したものでもあります)の商品を食べられるのは今回だけ!?
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