トレーニングを兼ねて丹沢へ
滝汗の後にしみる豚汁ぶっかけ飯!
本格的なシーズンに向けて、今回のMGL定例登山はトレーニングがメインです。我らがホームマウンテン、丹沢を訪れました。はっきり言ってキツイです。この山登れたら、たぶん日本の大体の山に登れる体力があると判断しても良いくらい。
だからこそ、グルメしすぎて若干緩みがちなカラダを引き締めるのにもピッタリなのです。
今回は、プロデューサー三好、シェフ田嶋、ライター櫻井、そして前回の笠取山で登山デビューを果たしたテツローくん。加えてスペシャルゲストとして「いいちみそ醸造元 加藤兵太郎商店」の7代目である加藤 篤さんも参加してくれました。
そう、新メニューである豚汁ぶっかけ飯のキーになる味噌を作っている方。だけでなく、なんとベストバイギア(BBG)というサイトでライティングもしているというガチな山好きです。
今回のルートはヤビツ峠から登り始めて、塔ノ岳を目指します。
このルートは、二ノ塔、三ノ塔などを経由していく健脚向きコースで、登り始めからなかなかの急登が続きます。
そんな中、加藤さんだけは涼しい顔ですいすい歩いていきます。聞けば箱根外輪山を1日でまわったりと、かなりの健脚なのです。
二ノ塔につく頃には、三好はすでに滝汗……。下山時にシオシオになっていないかすでに心配です。
アップダウンを繰り返しながらじょじょに高度を稼いでいきます。途中にはクサリ場もあり、変化に富んだ楽しいコース。
三ノ塔までくると、遠くに加藤さんのホームである小田原の街や、伊豆の山々、そしてその奥には富士山がドーンと構えています。
そこからさらに登ること2時間ちょっと。途中の小屋で販売していたビールの誘惑に負けそうになりながらも、ようやく塔ノ岳に到着。
ちょうど良い具合に、デッキが空いていたので、マウンテングルメのスタートです。
三好と田嶋はさっそくビールで乾杯。滝汗からのビール、そして豚汁ぶっかけ飯の組み合わせは、文句なしに最強クラス。
疲れ切った体に優しく染み渡る味噌の偉大さを、あらためて感じました。
この豚汁ぶっかけ飯は、疲れ切った体でも無理なく喉を通るので、ハードな山行になればなるほど、そのポテンシャルを発揮してくれる感じがあります。
加藤さんも「自分の作った味噌がこんな形で山飯になるなんて感無量です」と初体験となる豚汁ぶっかけ飯に大感動してくれました。
シェフ田嶋と加藤さんは味噌談義に花を咲かせます。
田嶋:先人たちが米麹というものの効果に気づいたこと自体、奇跡みたいなものですよね。そういう発酵食品を使わずして、日本で料理している意味ってあるのかな、というくらい味噌などの発酵食品には魅力があると思います。
加藤:そういう意味ではうちの味噌はすごくベーシックかもしれませんね。原材料は米麹と大豆と塩。ほとんどすべての工程を手作業でやるという昔ながらのスタイルです。
田嶋:でもベーシックを押さえてからじゃないとダメだと思います。例えばトマトを発酵させた汁などを使うこともあるんですが、やはりそれも味噌などを上手に使えていなければただの飛び道具ですよね。
加藤:田嶋さんは、料理でいろんなチャレンジをしていますよね。僕も味噌というものを軸に今後、さまざまな挑戦をしていきたいんです。実はいまラーメン屋さんとコラボして、味噌ラーメン専門店を出すという計画もあったりします。あとは僕自身が山好きなんで、山に特化した味噌とかも作れると良いんですけどね。
豚汁ぶっかけ飯に使わせてもらった、合わせ味噌も持参してくれました。
「実は、この合わせ味噌にサバ缶を混ぜるだけで美味しい味噌汁、というかアラ汁風になるんですよ。今回も作ろうかなと思ったんですが、田嶋さんの豚汁ぶっかけ飯の前には霞んでしまうかも、と思ってやめました(笑)」
そ、それ美味そう! こんど試してみます!
加藤さんが食後のコーヒーを淹れてくれたんですが、使っているミルがなんと「コマンダンテ」のアウトドア用のもの。この「コマンダンテ」は有名バリスタがこぞって使うという玄人好みの逸品。浅煎りで、少し酸味がある豆をチョイスしているあたりも、山登りの時に飲みたいコーヒーのツボを抑えていてさすがです。
さて、お腹も膨れたところでそろそろ下山を開始しようとすると、三好の姿が見当たりません。と、思ったら日当たりの良い斜面で大の字になってお昼寝中。
山頂は最高のレストランであると同時に、最高の昼寝場でもあるということを、オノレのカラダで表現しています。
下山は通称・バカ尾根と呼ばれる大倉尾根を下っていきます。
この尾根は“バカ”という異名が付くくらいひたすらに登らせる道なんですが、今回は下りで使っているのでスイスイです。美しい新緑や桜を愛でながらのんびりと下っていきます。
無事に下山して、スマートウォッチをチェックしてみると、歩数は4万歩超えで、消費カロリーはなんと3000kcalを超えています!
心なしか、三好もシュッとしたような……。
帰りは、渋沢駅近くの「焼肉ソウル」で締め! この店はとくに上タンのクオリティが高いんです。下山後のギルトフリー感もあいまって、みんなでグイグイ食べちゃいました。あれ? カロリー的にはいってこいになっちゃったかも……。
Text & Photo / Takashi Sakurai