
山に浸かる。那須岳登山
「今月も雨だね。延期しますかぁ。」
延期に延期を重ねている定例登山。
定例と言いつつ、今年に入ってからまだ一回もメンバーで登山へ行っていない...。
そして、明後日控える登山日も雨マークがついている。
またしても延期の文字がチラつく。
「今回も延期しますかぁ」と少し残念気味な雰囲気を醸し出し、そう三好に切り出そうとすると
今回の三好は、「雨だろうと関係ない!」と言わんばかりに行く気満々の表情をしている。
流石に行きません。とも言えず、雨でも決行する事となった。
今回の参加メンバーはプロデューサーの三好と、デザイナーの松原、そしてMGL営業担当兼クライマーの筆者(哲)。
三好がこっそりてるてる坊主でも作ったのか。
前日の天気ではギリギリ雨が降らなそうな回復傾向になっていた。
今回MGLチームが向かったのは那須岳。
先に今回のコースを紹介すると
那須ロープウェイに乗車、茶臼岳、朝日岳を登り三斗小屋温泉、姥ケ平を周回し那須ロープウェイに戻ってくるというコース。
朝イチの便でロープウェイに乗車。
運行時間は5分とかからない。目の前には終点の山頂駅が見えているくらいだ。
景色を見ていると、すぐに中間点を通り過ぎ、間も無く終点です。とアナウンスが車内に流れる。
そしてアナウンスは続く…
「今日は雷注意報がでております。この機体は電気で動いていますので、危険と判断した場合は運行を中止いたしますのでご了承ください」と一言。
さらっと、我々の足取りを重くさせ、ロープウェイを下車した。



濃いガスが麓にかかっている。
茶臼岳まではだいたい30分強といったところ。
三好と松原はどんどん登って行く。気づいたら100mくらい離れているではないか。
視界は霧に包まれてしまった。
一緒にスタートした子連れの親子の子供はもう歩きたくなさそうにしている。
天気が悪いからだろうか..?
僕は置いていかれないように子供を尻目に
三好らの後を追い、せかせかと登ると間もなく茶臼岳に到着した。


「天気も悪いし今日はこの辺で終了かな..?」と思っていたら
「とりあえず朝日岳には行こう!」と三好が一言。
一行は朝日岳へ向かうことになった。
徐々に視界が開けてきた。
ようやく天気予報と同じ空模様になり始めてきた。
この予報が続けば今日は高曇りの快適な登山が出来ることが約束されている。




溶岩が作り出した造形とスコリア帯。山麓は緑に覆われている。
素晴らしいグラデーションの景色を堪能しながら登っていると、朝日岳はもう目の前まで来ていた。

朝日岳に登頂し、さてここからロープウェイに向けてピストンで下山かな?と山頂でおやつを食べながら考えていると
「煙草屋行ったことないからいってもいい..?」と三好が一言。
もちろん嫌です。なんて言えるわけもないのでここからはロープウェイで上がってきた反対側の山腹へ下り煙草屋を目指すことにした。
火山の山はなんと言っても温泉だが、意外と宿泊と温泉がセットになった山小屋はそんなに多くない。
なので、那須岳=煙草屋という認識の登山者は少なくない。那須岳の西面の中腹に位置している三斗小屋温泉煙草屋旅館。那須の山容を見ながら湯に浸かる事ができる最高の山小屋だ。
標高をグイグイ下げ、樹林帯に入るにつれジメジメした空気に汗もよく出る。
三好を見るともう汗まみれだ。



登山道の脇には噴出口があり、勢いよく蒸気が吹き出している。
温泉の匂いだ!山小屋はもう目と鼻の先だ。
三斗小屋温泉煙草屋旅館到着。
平日の山小屋は静かで、貸切の露天風呂を堪能。


「あぁぁ たまらん」
汗を流しさっぱりした我々に足りていないのは、そうペコペコのお腹を満たすこと。
今回は活火山である那須岳に合わせたつもりはないが、もちろん皆「ボルケーノキーマカレー」
流水で冷やされた売店のコーラを片手にキーマを頬張る。
「うまい!!」
スパイシーなアクセントは暑い日には最高だ。


三斗小屋温泉煙草屋旅館からは姥ヶ平までの樹林帯の気持ちのいい道を歩く。
この姥ヶ平一帯は秋になると素晴らしい紅葉が一面に広がる。
茶臼岳の西面は、古くに活動を終えた火山地形の為に緑が回復し、さらに偏西風の影響で今も活動を続ける茶臼岳からの影響を受けにくいため、特異的な景観が広がっている。
のんびり歩いていたいところだが、時刻はもう15時。
ロープウェイの終電は16:30。
雷の運休は関係なく、乗り遅れで山麓まで歩くのは勘弁したいところ。
少し急足で登り返し、すっかり景色の開けた那須の山麓を目下に快適に下り、
ロープウェイに飛び込み、気持ちのいい山行を終えた。


