インタビュー

MGL in the WORLD #01
世界一苛酷なサハラマラソンに参戦!

マウンテン グルメ ラボがサポートするさまざまな挑戦者を紹介する連載がスタートします! 第一回目は、250kmを7日間かけて走る“世界で最も苛酷なマラソン”との異名を取る「サハラマラソン」に出場した草野陽夏さん。COTENという会社で、歴史をデータベース化する仕事をしている、いわゆるサラリーマン。スポーツ歴としては高校生までバスケットボールをしていたそうですが、いわゆるアスリートではないといいます。


世界で最も苛酷なマラソン大会とも呼ばれていますが、なぜ出ようと思ったんですか?

草野さん(以下、草野。敬称略):友人に誘われたんですが、よくよく聞くと過去に人が亡くなっていたりするんですよ。しかも出るのに総額で150万円くらいかかります。かなり悩んだんですが、3ヶ月間誘われ続けるうちに「この機会を逃したら二度と出ないだろうな」と思ったんです。それと同時に「完走した時にどんな気持ちになるんだろう」という好奇心も芽生えてしまったんですよね。


日頃から走っているランナーというワケではなかったんですよね?

草野:走力もなければ、お金もなかったです(笑)。ただ、もともと認識を変える体験みたいなことには興味がありました。虫が嫌いだったんですけど、そういう自分が虫居酒屋に行って食べまくったらどうなるんだろう、とか、そういうことは色々とやっていました。


エントリーを決めたのは大会のどのくらい前だったんですか?

草野:約4ヶ月前ですね。


それからどんな準備を?

草野:サハラマラソンではテント以外の衣食住すべてを持って走る必要があります。僕の場合は水を含めて12kgくらいです。だからまず、ザックに水とかダンベルを15kg分詰めて走ってみました。


それはキツい。テント泊登山より重いですね。

草野:最初はすごくゆっくり走ってみたんですが、10kmくらいで限界が来ちゃいました。

 

いきなり10kmってスゴいですよ!

草野:ただ、その後1週間くらい筋肉疲労が残りました(笑)。その時点で怪我をしてしまったら、そこでチャレンジ終了だと思っていたので、しっかり休んで次からは20km、30km、40kmと距離を伸ばしていって、全部で10回くらい練習をしました。


どんどん距離を伸ばして行けたってことは、もともと身体が強かったんでしょうね。

草野:高尾山と陣馬山の縦走コースを往復して37km山を走ったんですが、朝スタートしてゴールするころには真っ暗でした。それが一番キツかったですね。


その時点でやめたいとかならなかったんですか?

草野:やるしかない、という気持ちでした。練習も途中からけっこう楽しくなってきましたね。東京を42km走ったりしたんですが、そうすると車や電車移動では気づけない発見があるんです。

走る、という以外にどんな準備をしたんですか?

草野:ひとつひとつに命がかかっているので、装備品はかなり吟味しました。なかでも食にはこだわりました。過酷な環境下で連日過ごすと、食欲がなくなって食べ物が喉を通らなくなってくると事前に聞いていました。やはり食べられなくなると走れないですから、カロリーや栄養素などいろいろ調べました。


そんな中でメインにマウンテン グルメ ラボを選んでいただけたんですね。

草野:色んな種類のドライフードを試食して、表を作ったりして相当研究しました。その中でもMGLはやっぱり抜群に美味しかったです。決め手はやはりその美味しさですね。いくら栄養価が高くても食べられなくなったら意味がないですから。


ウェアとかはどういう感じで走るんですか?

草野:速乾性のTシャツと短パン。日焼けしないようにアームカバーや手袋も準備しました。シューズもゲイターを縫い付けて砂が入らないようにとか、完全に砂漠仕様です。砂漠と言えば、ということでスターウォーズのジェダイの衣装も持って行ったんですが、初日で熱中症になっちゃったんで、それ以降はずっとバッグの中でした(笑)。


そういう準備をもろもろやって、いよいよ本番を迎えたわけですね。

草野:モロッコの空港からレースの舞台であるサハラ砂漠まで、移動に2日かかるんです。会場入りした次の日に1日かけてメディカルや必携品などのチェックがあります。そして翌日からスタートですね。


そこから毎日決められた距離を進んで行くと。

草野:そうですね。だいたい1日あたり20〜40kmなんですが例外は4日目。82kmと超ロングで、夜を徹して走ることになります。


そこまでですでに3日間で100km以上走っているわけですもんね。気温はどんな感じだったんですか?

草野:最高だと50度くらいいっていたみたいです。ただ湿度がないからまだ良かったですね。


とはいえ50度ですもんね。

草野:最初の3日間は熱中症に苦しみました。意識朦朧としながら進んでましたね。それに加えて乾燥しているので風邪までひいてしまうというダブルパンチ。最初は辛さしかなかったです。


そんな状況で4日目の82kmが待ち構えていたわけですね。

草野:幸いなことに全回復できて、最初の50kmくらいはサクサク進めたんですが、そのあたりで砂嵐と夜が同時にきてしまって、そこが一番苛酷でしたね。ただ、朦朧とした中で見た砂漠の日の出は一生忘れられないほど美しかったです。

レース中はどんな食事を?

草野:朝はお茶漬けですね。行動中は固形物じゃなくてジェル系。夜ご飯はご褒美としてのマウンテン グルメ ラボというルーティンでした。


クッカーなどは持って行かなかったんですよね? 調理はどのようにしていたんですか?

草野:クッカーは重いので、代わりにヒートパックというものを使っていました。水を少し入れるだけで30分間98度まで加熱できるので、これに耐熱パックに移し替えたマウンテン グルメ ラボを入れて調理していました。


そんな作り方もできるんですね。こちらとしても勉強になります。



草野:レース中の楽しみって基本ご飯なんです。だからマウンテン グルメ ラボにはとても助けられました。


どうでした? 極限状態でのマウンテン グルメ ラボは?

草野:最高でした。食べている時の香りに周りがザワついてましたよ(笑)。あんな繊細な味のものを砂漠で食べているというのは、ちょっと不思議さすら感じました。

「ゴールした時にどんな気持ちになるんだろう」と冒頭でもおっしゃってましたが、実際にはどうでしたか?

草野:このレースに出ないと感じられなかったであろう、いろんな感情が湧きました。特に4日目の82kmのパートの後半では、あまりにも辛すぎて感情のコントロールがきかなくなったんです。ものすごくイライラしてしまって、ネガティブな発言しか出てこないんです。そんな状況で、ある日本人の参加者と出会ったんです。別に特別な話をしたわけではないんですが、人と会うということがものすごく力になることに気付きました。日常生活では感じにくいですが、人と出会う、人が居る、それだけでなにかしらのエネルギーをもらっていたんだなと思いました。だから帰って来た後は、見知らぬ人が歩いているのを見ても、なにかしら自分のエネルギーになっていると思うようになりましたし、逆に自分が居るだけで誰かのエネルギーになっているんじゃないか。そういう視点が生まれました。


極限まで行ったから見えた世界観ですね。ちなみに、もう一回出たいですか?

草野:またサハラマラソンに出るよりも、別のキツいレースに出てみたいなとは思います。日常では絶対に味わえないものが、そこにはあるので。

 

interview by Takashi Sakurai

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